さくら花見堂ができるまで

閉校にあたって

花見堂小学校は、2012年、教育委員会からのお隣の小学校との統合話を断り、単独で学校を閉じることを決め2017年3月で花見堂小学校は57年の歴史に幕をおろしました。

単独閉校という苦渋の決断をした際に、跡地に建つ施設は地域住民で決めさせて欲しいと要望を出し、2013年11月より世田谷区と協働し約30回にも及ぶ、地域住民参加型のワークショップが開催されました。

さくら花見堂ができるまでワークショップ

花見堂小学校の閉校が決定してから新しい施設がオープンするまでの約8年の間に、地域の方々・区・事業者が一緒に話し合うワークショップを30回以上重ねて、施設の基本方針や計画づくり、運営の方法などについて検討しました。

たとえば、下記のようなことも話し合いました。
・花見堂小学校が地域で果たしてきた役割を引き継ぐ理念を出し合い、「憲章」としてとりまとめて共有。
・施設の規模がわかるツールを活用しながら、必要な施設と大きさを検討し合意。
・建物の日陰問題で揉めることが多い建物の配置についても、近隣にお住まいの方々が参加した場で模型を活用して検討し、小学校時代とは違う配置で合意。

このようなプロセスに、多くの学校関係者、地域の方々が参加しました。

花見堂小学校最後の一年

2017年は花見堂小最後の1年。

最後の年は全員が卒業生なので記念に残るものを作り、跡地にできる施設に飾りたいと思い、1年生から取り組める「タイルアート」で花見堂のマスコットキャラクターであるハッチを全校児童と教職員で作りました。

1センチのピースをマスに埋め4.5メートル四方の作品を作ります。校長先生も大きな体を屈めて作品を作り、板への糊付けが出来たらどんどん体育館に運ばれ、巨大な作品が完成しました。

最後は全員で記念撮影。現在は施設のシンボルとしてフリースペースの壁面に飾られ、施設に来る方々をお出迎えしてくれています。

木を活かすワークショップ

花見堂小学校閉校後の2017年4月から2019年8月までの約2年間、近隣小学校の建て替え期間中の仮設校舎として活用されました。仮設校舎の役目を終え、解体工事に入る際に、花見堂小学校の桜の木や代田南児童館の敷地内の樹木を伐採し、新しくなる施設に使うための家具を作りました。

切り倒された大木の皮をはいだり、担いでトラックに乗せたり、葉っぱや木の皮を煮出して椅子のファブリックの染色をしたり、家具に小さなピースをはめ込んだり、思い出が詰まったフリースペース作りを地域のみなで取り組みました。

また、家具のメンテナンスも定期的に行っています。生きている樹木を使って家具を作成したため、1年に1度手をかけてあげないと、木が反り返ったり、空洞だった箇所が広がったり機嫌を損ねてしまします。

(メンテナンスの会は、時期になりましたらお知らせします。どなたでも参加いただけますのでご興味のお有りの方、是非ご一緒しましょう。家具を綺麗にしたあとは、調理のできる会議室でお楽しみ会も計画しています)

いよいよ開設

地域住民が世田谷区と協働して施設を運営するため、花見堂小学校の体育館や校庭を活動拠点とし小学校の行事にも積極的に協力していた団体と個人会員によって「さくら花見堂の会」を立ち上げました。2021年12月22日の開設の日に先立ち、12月18日に設立総会を行い、会の活動の理念として「さくら花見堂憲章」を定めて活動がスタートしました。

2022年2月19日に、コロナ禍ではありましたが、オープニングイベントを実施しました。世田谷区無形文化財である「三土代会」の振る舞い餅の引き換え券を配布し、代田自治会による防災の備えブースとワークショップで5つまで絞った愛称の投票を行ってもらい、小学生の姉弟が考えてくれた「さくら花見堂」に決定しました。

(参考)さくら花見堂ができるまでワークショップ年表